四方山


聖徳太子の冠位…
塾の合宿では食事の前後に順番で生徒に意欲をかき立てるような話をする時間がありました。僕は司会の側が多かったため、話す機会もなく、何を話すかで悩むことはなかったのですが、話す側は大変です。食事後に話すとなると食事も早々に切り上げ、話す内容を一人で思案、ロールプレイという方もいらっしゃいました。

Y部長の話す番がやってきました。Y部長の不人気さというか人間的魅力の薄さは生徒も実は知っており、誰も期待してなかったようなのですが、一所懸命考えていたようでした。

Y部長は色々考えていたようですが、やおら僕を捕まえて「聖徳太子の冠位の政策を教えてくれない?」と聞くので、数学担当のY部長へ懇切丁寧小学生レベルの話をしておきました。「分かった、ありがとう」と力強くいうY部長。どんな話の中で冠位十二階を出すのかと、興味津々でいました。

いよいよY部長が生徒の前で話し出します。すでに何年も前の話ですので、話の内容はすっかり忘れましたが、ここだけは忘れられない。

「聖徳太子の冠位十七階が〜」

いつの間にやらか5つも増えている!どう考えても憲法十七条と混ざっている。冠位十二階は徳仁礼信義智をそれぞれ大小作ったから十二階なのに、奇数じゃ分けられない。新たな位階を作ってしまったのでした。

自分の得意分野の話にすればこのような失態を犯すこともなかったでしょうに、普段話題にもしない歴史の話題なんてするから。直前に教えたのも水泡に帰したのでした。

もちろん生徒も気づいていたのですが、期待してなかった生徒は大人だから聞き流したようです。僕と社会も教えるA先生だけ歴史の話がいつ出るかと期待した分だけ、食堂をでて笑い合うのでした。教えた内容も小学生レベルでしたが間違うレベルも小学生並でした。やはり付け焼刃はいけませんね。

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