四方山


人任せ 
高校生にもなって、何も自分で決められない自分勝手なHという男の子がいた。塾へ来るきっかけは、当然親が今の成績を心配してのこと。

「自分からでは何も決められない子なので…」「自分で決めたことじゃないと、お母さんが決めたことだから最後までやらない、と言い出すことも・・・」と、すでに手強そうな匂いが。

最初にHから色々と勉強以外の子とも含めてヒアリングすると、どうも勉強をする気はない、かと言って何か打ち込んでいるものはあるかというとそれもない。部活でテニスをやっているようだったので、それに打ち込んでいるのかというと、親が何かやれというからとの返事。

どうにもこうにも無気力な状況であったため、ガッチリと授業をするよりも勉強する意味合いや興味を色々と広げていけるような話を合間合間に行うような形で授業に入る事になりました。

さて、最初はよかったものの、しばらくしてサボり癖というか、無気力な性格が見え始め、ついに来なくなりました。電話をかけ母親や本人とも話を繰り返しましたが、埒が明かない。

Hの言い分はこうです。

H:「やっぱり勉強はしなくちゃいけないと思う」
我々:「じゃぁ、やろう」
H:「いや、やる気はない」
我々:「それなら無理して勉強しても意味がないから、いずれしようと思ったときにしよう」
H:「いや、やっぱり勉強はしなきゃいけないと思う」
我々:「じゃぁ、やろう」
H:「いや、やる気はない」

どっちなんだ、貴様は!と胸ぐらをつかんで張り倒したい衝動に駆られます。矛盾も矛盾。今までこの論理が成り立ってきた?ことが不思議でならない。Hの理論は簡単に言えばこの繰り返し。勉強以外もすべてこれ。最終的には、「別に自分がやりたかったわけじゃなくて、親が決めたことだから」と伝家の宝刀を抜く。結局Hは説得の余地も何もなく、やめていきました。

多分ですね。親が決めたことだからやめていいというのは、当然のことながら逃げ口上でしかなく、ならば自分で何かことを起こしてみろとなると、何もしたがらないのでしょう。責任が付きまとうのがイヤだし、何よりも面倒くさいから。

そうなってしまった原因は本人の考え方もあるのでしょうが、なんでもかでも親が決めてしまった弊害もあるのでしょう。過保護なのも結構ですが、もう少し世間の風に当たらせたほうが宜しいかと思った出来事でした。

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