四方山


退屈な授業
一校舎の責任者をしていたこともある僕ですが、よんどころない理由から、非常勤講師として1年間勤務していた時がありました。新入社員や異動して来た先生よりは当然僕の方が生徒のことを知っているわけで、生徒も僕と話をする場面が多かったようです。

授業は非常勤ですから限られたコマしか入らなかったのですが、小5の集団授業も受け持っていました。国語の授業なのですが、20-30分ほどは授業に関係なく、その時期や日にちなんだ事柄や気になる出来事について「お話」を色々することにしました。生徒もそれが楽しみ(授業がつぶれるというだけでなく、そのために30分も早くきて、今日は何のお話?と聞く子も)だったようです。

授業が終わると僕は非常勤ですから、社員へ授業報告をします。相手は大学出たての新入社員で、僕が授業を見に行ったら「邪魔だから出てください」発言をした剛の者。報告をすると最後に一つ聞いてきた。「授業していて楽しいッすか?」

僕は彼の言っている意味が分からず、内心「ハ?」と思いつつも、何と答えればいいのかと悩んだ挙句、楽しいですよと答える。

しかしながら質問の真意を考えると、僕がよほど退屈そうに授業をしているのを見たか(見になんて来ませんが)想像したか、生徒が僕の授業が退屈だといっているかのどちらかかと思えました。実際は僕の授業を心待ちにしてくれている子もいて、僕も楽しくやっていたわけで、よっぽど僕の授業はヘボだと舐められていたのかと思うと、実に腹立たしい。

僕が責任者としていた最後の一年で受け持った低学年層の子たちとたまたま冬期講習で10ヶ月ぶりくらいに会った所、その新入社員の授業よりも僕の授業を受けたいと言い出す始末。さらに春になって、またまた新しい講師が移動してきたときに、新しい講師はまだまだ優しいですし、生徒も物珍しさでくっつきますから、「どの先生に今日は教えてほしいかというと〜」と品定めしてきます。

「一番はH先生(異動してきた新しい先生)」次が僕。三番目になっても一年教えてきた新入社員の名が出ない。つまり、一年教えてきて、新入社員は彼らに受け入れられていないということに。もっとも彼らだけでなく、他の学年からも別段好かれているようではなかったみたいだけど。

人にモノを教える仕事というのは非常に難しい。頭がいいだけではもちろんダメで、人柄だけでも片手落ち。聖人君主であることをやっぱりどこかで求められるものでしょうか。そこまで行かずとも、大人にも子どもにもそれなりに好意を持たれるようでないと尊敬もされなければ指導もできないと思うのですが、新入社員の彼の前途は厳しいと思われます。

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